新型ジムニーに試乗してきたので、その感想を述べたいと思います。

グレードは最上級のXC、トランスミッションは4ATでした。ほんとは5MTに乗ってみたかったけど、ないならしょうがない。

ちなみに僕は従来型ジムニーに乗ったことはないので、従来型と新型の比較はできません。また、オンロードのみの試乗です。

つまり、新型ジムニーで街中を走ってみた感想として捉えてください。

満足な点

繰り返しますが、あくまで街中を走った感想です。新型ジムニーの真価を発揮できるオフロードは、1mも走っておりません。

思いの外、乗り心地が良い

「ジムニーは乗り心地が悪い」というイメージがあったのですが、常用域では乗り心地に不満を抱くことはありませんでした。

おそらく新開発したラダーフレームの恩恵でしょう。Xメンバー1本とクロスメンバー2本が追加され、ボディマウントの衝撃吸収性能も向上しているようです。

最適な減衰力に調整したサスペンションも効いているでしょう。モノコック構造の軽自動車から乗り換えても、多くの方は違和感なく乗れる仕上がりです。

また車重が重いので、それが重厚感ある乗り心地に繋がっています。堅牢なラダーフレーム採用だからといって、警戒することは全くなさそうです。

思いの外、ハンドリングが良い

オフロードを主軸に置く新型ジムニーは、前後ともに3リンクリジット式サスペンションが継続採用されています。また車高は高いので、ハンドリングは緩慢だろうと決めつけていました。

いやー、良い意味で期待を裏切られました。ハンドル操作に応じて遅れることなく車体は向きを変え、ハンドリングは思いの外シャープでした。

これならオフロードだけでなく、オンロードも楽しく運転できそうです。5速マニュアルトランスミッションなら、より一層楽しむことができそうですね。

高速安定性に不安がない

高速道路を走ることはできなかったのですが、高い速度域(70〜80km/h)となるバイパス道路を走ることはできました。

オフロードに特化した車高が高いクルマなので、直進安定性には期待していませんでしたが、実に申し分ないレベルでした。重い分、ハスラーより安定してるかも!?

高い速度域においても接地感をしっかり感じることができ、安心感があります。これはステアリングダンパーの標準装着が効いているかもしれません。

旧型ではステアリングダンパーは標準装着されておらず、走行中にステアリングがブルブル震える現象に悩めるオーナーが続出していたようです。

しかし新型ではそのネガを解消することで、高い速度域でも安心して走れるように進化しているのかもしれません。

運転しやすいので、運転初心者にもおすすめ

新型ジムニーは前方左右の視認性、また車両感覚の掴みやすさが非常に良好です。

車高が高く、Aピラーが立っているのが効いていますね。Bピラーも立っているので、後方視界も悪くありません。

また視界に映るフロントノーズやインパネが直線的なので、車体の動きを捉えやすいというのも運転しやすいに繋がっています。

なので運転しやすいクルマを求めている女性にも、新型ジムニーはおすすめできます。前述の通り、乗り心地も良いので。

スズキセーフティサポートが装着されている

安全運転支援システムは、お金を払うくらいなら不要だと思っていました。でもよくよく考えると、無いよりはあったほうがいいですね。

というのも、新型ジムニーの安全機能(スズキセーフティサポート)はとても充実しています。

  • 衝突被害軽減ブレーキ(デュアルセンサーブレーキサポート)
  • 車線逸脱警報機能
  • ハイビームアシスト
  • 誤発進抑制機能
  • ふらつき警報機能
  • 先行車発進お知らせ機能
  • 標識認識機能

試乗中、標識認識機能が作動しているのは驚きました。スズキセーフティサポートの新機能として追加されているようですが、軽自動車も安全装備に抜かりないのだと感心しました。

なかでも衝突被害軽減ブレーキは、万が一を考えるとありがたい。クルマだけでなく歩行者にも対応し、対象がクルマの場合は約5~100km/h、対象が歩行者の場合は約5~60km/hに作動します。

当然、過信はできません。でも万が一に備えておくことで、普段の運転に安心感をプラスすることができます。新型ジムニーを買うとしたら、スズキセーフティサポートは絶対に装着したいですね。

不満な点

あえて見出しを不満としましたが、多少気になった点とお考えください。新型ジムニーの短所は、長所と捉えることもできますからね。

車重が重い

先代ジムニー最終型の車重は、5MTで980kg、4ATで990kgでした。ギリギリ1t切りです。でも新型ジムニーの車重は、5MTで1030kg、4ATで1040kgです。なんと1t超えです。

最近のスズキ車は新プラットフォーム「ハーテクト」によって徹底した軽量化を実現していましたが、ラダーフレームを採用する新型ジムニーには当てはまらないようですね。

車重が重くなった要因には、ラダーフレームの補強やステアリングダンパーの追加、安全装備などが挙げられるでしょう。なので仕方ありませんね。

ただ車重が重くなっても、街中を走る上ではそれを感じさせない走りが実現できています。R06Aターボエンジンの採用やトランスミッションの改良が効いているでしょう。

加速はもっさり

車重の重さは街中を走る上では気になりませんが、速度域の高いバイパス道路を走る上では少し気になりました。やはり加速はもっさりしています。

新型ジムニーに高速域でのパワーは求めていませんが、高速道路での追い越しでは多少求めざるを得ません。もう少し、高回転域でのトルクが欲しいところです。

ただR06Aターボエンジンは低速トルクが豊かなので、街中での加速では不満はありません。それこそ悪路での走りに向いているエンジンと言えるかもしれません。

また加速性能を求めるなら、シエラを選ぶべきでしょう。トレッド幅が広くなっているので、コーナーでの走行安定性、高速域での直進安定性にも有利です。

今どき4AT

新型ジムニーは6ATに多段化するだろうと予想していましたが、やはり小さな車体にそれを収めることは難しいようです。

であれば、アルトワークスなどに採用される5AGSは搭載できなかったのか? おそらく、シングルクラッチは悪路向きではないのでしょう。クラッチ焼けのリスクが高まるようです。

4ATは先代から継承されるもので改良されていますが、そのフィールは一昔前の軽自動車です。速度のわりにエンジン回転が高いので、CVTに乗り慣れているドライバーは違和感を感じるかもしれません。

ただこれは、街中を走った場合に気になった点です。オフロードを走る上では、4ATは最も適当なトランスミッションでしょう。軽量だし耐久性も抜群です。

アダプティブクルーズコントロールの設定がない

最上級グレードXCにはクルーズコントロールの設定がありますが、心の奥底ではアダプティブクルーズコントロール(ACC)の設定を望んでいました。

同じ軽自動車であるN-BOXではその設定があるので、少し期待していました。でも、どうやらコスト面で難しいようですね。

新型ジムニーで高速道路を走ると想定すると、僕は追い越しはあまりせず走行車線を走り続けるでしょう。そんな時にACCがあれば楽だし、アウトドアする時のために体力を温存できます。

まとめ

堅牢なラダーフレームを採用する新型ジムニーですが、警戒する必要は全くありませんでした。乗用車感覚で街中を走ることができます。

また新型ジムニーの真価を発揮できるステージはオフロードであり、高い悪路走破性にあります。まるで切り札を持っているような感覚です。そのせいかオンロードでは気持ちに余裕を持てます。

さらにその余裕は、不満な点(というか気になる点)を感じさせないことに繋がっている気がします。

新型ジムニー、最高です。スポーツカーとは、また違った非日常感を味わうことができました。いや、真の非日常感は、オフロードを走った時にこそ感じられるでしょう。

これを200万円を大きく切る価格で出すスズキって・・・素晴らしいメーカーだ!