ホンダは1月31日、コンパクトSUVヴェゼルに1.5リッターVTEC ターボエンジンを搭載した新グレード「ツーリング・Honda SENSING」を設定し、発売を開始しました。

トランスミッションはCVTのみ、駆動方式はFFのみ。価格は290万3040円となります。

内外装は別の記事でご紹介するとして、今回は試乗インプレッションをお伝えしたいと思います。

1.5リッター直噴VTECターボの走りはいかに?

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芯がしっかりしていてブレが少ない

ヴェゼルの発売は2013年12月だから、モデルライフがけっこう長くなっていますが、新型車に負けないボディ剛性を感じました。

おそらく初採用した1.5リッター直噴VTECターボに合わせた、車体側の専用チューニングが大きく効いているだろうと思います。

ヴェゼルツーリングは、従来よりボディ剛性を高めただけでなく、専用パフォーマンスダンパーを装備しています。

ソフトな乗り心地のファミリーカーに乗り慣れている人にとっては、足はちょっと固いと思われそうですが、これがぼくにとっては好印象。

路面の凹凸では、決してソフトとは言えないショックがドライバーに伝わってきますが、ショックの収束が素早いので、不快感になるには至りません。

また、そのセッティングのおかげで、バイパス道路においては直進安定性においても貢献していると思われます。

コーナリングでの安定性も良好です。ステアリング操作の初期応答性が思ったより機敏でしたが、フロントがしっかり動いているのを感じ取れ、まるでC-HRのようなスポーティ度まで感じられました。

パワーに余力を感じるエンジン

今回の試乗コースは、主にバイパス道路。制限速度は70km/hですが、多くの車は平気でそれ以上出すようなバイパス道路ですw

そんなバイパス道路での追い越し加速では、アクセルペダルをぐっと踏み込んだ際、エンジン音は勇ましくなるけど車速が付いてこないCVTにありがちなラバーバンドフィールがありました。

これは小排気量ほど見られる傾向なのでしょうがないと思いつつ、ただ車速が乗ってくればパワーは盛り上がってきます。パワーとしては申し分ないです。

乗り方を変えてみました。アクセルペダルをぐっと踏み込むのではなく、じわっと踏み込んで加速してみました。この場合、ラバーバンドフィールはかなり希薄になります。

エンジン回転に応じてアクセル操作をコントロールする感じでしょうか。これなら急加速はできなくとも、リニアな加速感は得られます。ヴェゼルツーリングの場合、1.5リッターVTECターボの力強さも加えられます。

バイパス道路での巡航時では、パワーに余裕を感じられるので、高速道路での巡航も余裕だろうと感じます。

専用パフォーマンスダンパーの恩恵か、直進安定性も良好です。やや減衰力が強めなのか路面状況がよく伝わり、修正舵も当てやすいステアリング設計にもなっていると感じました。

遠出に向いてるコンパクトSUV

残念なのは、渋滞追従機能付ACCが付いていないこと。ツーリングという名のグレード名なのだから、この機能は付けて欲しかった。

ただそれを抜きにしても、ヴェゼルツーリングは高速道路を使ったロングドライブに向いている性格のコンパクトSUVだと感じました。

専用パフォーマンスダンパーがもたらす良好な乗り心地や直進安定性は、高速走行しての巡航時において快適に運転できました。

静粛性も良好です。2018年2月のマイナーチェンジで、高性能な防音材の採用と制振材の適切配置が行われたため、その恩恵が大きいと思われます。

街乗りしやすい運転感覚

ヴェゼルツーリングは、遠出も楽ですが、街乗りも楽です。

フィットベースのコンパクトSUVなので、狭い路地なんかでも取り回ししやすい運転感覚を得られます。アイポイントも高いので、前方視界も良好です。

また1.5リッターVTECターボエンジンは、1700rpmから最大トルク220Nmを発生させるため、街乗りにおいては十分すぎる加速レスポンスです。

結果、街乗りしていてストレスがないコンパクトSUVだと言えます。

ただし従来グレードよりずっと高価になった

1.5リッターVTECターボエンジンを搭載するツーリングは、ガソリン車でトップグレードとなり、価格は290万3,040円となります。

従来のガソリン車でトップグレードのRSの価格は247万5,000円だったので、実に42万8,040円もの価格アップです。

ただ、決してターボになっただけで価格アップしたわけでなく、内外装などの専用装備による要因も大きいと思います。

▼ツーリング専用装備

  • ヘッドライトガーニッシュ(ブラック塗装)
  • フロントバンパーロアーグリル
  • 専用エンブレム
  • RS仕様ボディーロアーガーニッシュ(グレーメタリック)
  • ルーフレール
  • エキパイフィニッシャー(左右2本出し)
  • 専用コンビシート(ウルトラスエード&ブラウン)
  • 本革巻ステアリングホイール(スムースレザー)
  • 本革巻セレクトレバー
  • ステンレス製スポーツペダル
  • 18インチアルミホイール(グレー塗装)
  • アジャイルハンドリングアシスト

しかし、それでも物足りなさを感じる点はいくつかあります。

例えば、ホンダセンシング。渋滞追従機能付きACCが無いのは良しとして、なぜN-BOXには備わっているオートハイビームや後方誤発進抑制機能の機能が備わっていないのか・・・。

また価格が接近している『CR-V EX』に標準装備のブラインドスポットインフォメーションやLEDアクティブコーナリングライトなどの採用も無いのが残念です。ツーリングに相応しい機能だと思うのですが・・・。

まとめ

最後に不満点をいくつか述べましたが、コンパクトSUVというクラスを考えれば、十分以上の走りと上質な内外装を実現していると言えます。

その価値を見いだせれば、それなりに価格アップはしましたが、価格相応の仕上がりだと思います。